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ふるさとトピックス


Step By Step vol.20

布は私のパートナー

『自分の空間に癒されていますか?』


 インテリアデザイナーとして自宅兼事務所で仕事をしながら、藤枝市岡部町にある家具ショップbaseS(バーズ)でアドバイザーを務めている村松さん。大学は静岡を離れて京都へ。小さい頃から『布』が大好きで、繊維学を専攻し、勉学に励みました。しかし、就職は航空会社。CAとして世界を飛び回っていました。一見、現在の仕事とは関係ないように思えますが、各国の芸術や文化、インテリアに触れた時の感性や色彩感覚はインテリアデザイナーとして仕事をする上で役立っていることも多いと話す村松さんの日常に迫ります。

【On Time】 お客様をよく知り、提案する

学生時代「繊維学」を専攻した理由は?

 私の母は普通であれば捨ててしまうような布の端切れも大事にし、たくさん洋服を作ってくれる人でした。家にはたくさんの布があり、母の手に掛かればあっという間に素敵な洋服に変身してしまう様子を間近で見てきたため、幼い頃から『物を作ること』、『布』が大好きでした。
 大学では生活文化学科に進み、繊維学を専攻しました。振り返ると、ここでの勉強や人との出会いが現在の私の仕事、生活に大きな影響を与えてくれています。

最初の就職は分野が違いますね

 元々、外国に対する憧れも強く、大学卒業後は航空会社に就職し、CA(キャビンアテンダント)として世界各国を飛び回りました。滞在先では美術館巡りをしたり、日本とは違うアンティーク物や家の造りを見ては心を癒していました。CAとして5年間働いた後、語学留学などを含め、ドイツに約5年間滞在しました。建築を勉強するために留学したわけではありませんでしたが、留学中もあちこちの国を訪れ、その土地の気候や文化に適した家造り、使用する材質、外国ならではの色使いの布・生地を見て回り、それがとても楽しかったのを覚えています。
 CAの仕事と現在の仕事、職種は違いますが、自分の興味のある分野に関して、国境を越えて触れる機会を得て、今でも海外のトレンドをネットや雑誌を通して見て、刺激をもらうこともしばしばあります。

現在の仕事に就いたきっかけは?

 留学を終え帰国し、その後建築会社や貿易会社で働きました。この時に建築士の資格を取得するために勉強し、45歳で取得しました。
転機は貿易会社のインテリアショールームで働いている時でした。現在インテリアアドバイザーを務める家具ショップbaseSの社長・平盛さんが、このショールームに家具を搬入していたのです。
 数年後、母の介護を終えた頃、「岡部にショールームを建てるから、手伝ってほしい」と声を掛けていただき、インテリアアドバイザーとして勤めるようになり、現在に至ります。

現在のお仕事について教えて下さい

  現在は建築士、そしてインテリアデザイナーとして、家具のデザインや個人宅のリフォーム、病院の個室や公共施設のラウンジなど、いろいろな空間を演出する仕事をしています。その中でも主に窓回り、いわゆるカーテンを担当することが多いです。
 工務店さんからお客様を紹介してもらうことが多いですが、設計士さんや口コミ等で直接お客様から依頼を受けることもあります。

インテリアデザイナーの仕事の魅力とは?

  いろいろな空間を演出できるということです。
カーテンや壁紙は部屋の雰囲気をがらりと変えます。多くのお客様が決めるまでに時間が掛かり、本当に悩みます。そんな時、私はお客様に何より楽しんで選んでいただきたい、という思いから、「カーテンと壁紙はいつでも変えられる!」というお話をします。たくさんの種類の物を目の前にすると、人は誰でも目移りしてしまうものです。その時にお客様の服装、身につけているバッグなどを見て、いかにお客様の好みの物(テイスト)を引き出してあげられるかが、私の仕事だと思っています。また、お客様の家で打ち合わせをする時は、部屋を観察し、現状の雰囲気を把握して提案することもあります。
(下の写真は、現場の写真を加工して、バーチャルのカーテンを作製したり、プレゼンテーションボードでお客様に提案するもの)

仕事をする上で心掛けていることは何ですか?

 住宅はお客様にとって人生の中で大きな買い物です。
お客様が納得できるよう、そして建築のコンセプトに添いつつ、その人に合った癒しの空間を作ることを1番に考えています。そのためにもまずは、「その人をよく知ること」を心掛けています。知ることによって、色や柄など、イメージしやすくなるからです。そして、最終的に視覚でも触覚でも、しっくりくるような物を提供できるように、言葉で説明するだけでなく、実際に布を触ってもらったり、イメージを図にして見てもらうなどしています。また、1回1回の大切な打ち合わせがお互いに万全の体調でできるよう、お客様の体調の変化にも気を配っています。

この仕事をしてよかったと思うことは?

 お客様の“ありがとう”の言葉につきます。これがすべての原動力になっています。お客様には口癖のように「そんなに悩み込まないで」と話すのに、私自身は一人になると「本当にあれでよかったのか」、「納得してもらえたか」など、常に気になって考え込んでしまうタイプです。すべての工程が終了し、完成した後に家に招待してもらった時に、お客様の笑顔を見ることができた時にはやりがいを感じると同時に心の底からホッとします。

【Off Time】 縫い物は私の一部

気分転換の方法を教えてください

 音楽を聴いたり、大学時代に始めたアイリッシュハープを弾いて気持ちを落ち着かせ、愛犬と戯れて気分を癒しています。また、縫い物をしている時間も楽しいです。時間を忘れて没頭しています。自宅には5台のミシンがあり、使い分けをしながらクッションを作ったり、お客様の予算が無くてつけられなかった小窓のカフェカーテンを縫って差し上げたり、ソフトファニシングを楽しんでいます。

日頃から大切にしていることは?

 常に「お客様の身になって考える」ということを忘れないようにしています。ただし、お客様の要望だけを聞いて物事を進めるのではなく、その中に自分の思いや意見はしっかりと持って、伝えるようにしています。お客様に実際に提案する時に作るプレゼンテーションボードなど、手を抜かずに丁寧に作っています。

My First Step ~私に人生の新たな一歩を与えてくれた人~

 3人います。
 1人目は母です。小さな布切れであっても大事に使い、子どもに手作りの洋服を作る姿を見て、私も“縫物”、そして“布”が大好きになりました。そんな母のおかげで今、大好きな“布”を使う仕事ができています。
 2人目は大学のゼミの教授です。教授の元で繊維について学ぶことができ、この時に修得した知識が今、仕事で布を扱う上で、役に立っています。
 3人目は大学時代の京都の下宿先の奥さんです。家族のように接してもらい、食事も含め、よく面倒を見てもらいました。私が以前、畑を借りて耕していた頃、近所のアパートに住んでいる遠方から働きに来ていた子達と、親子のように畑仕事や食事を共にしたりしました。彼らが静岡を離れてしまった今でも、慕って気に掛けてくれています。考えてみると、自分が受けた恩を、次の世代に返す、今このような触れ合いができているのは、下宿先でお世話になった奥さんのおかげです。

プロフィール

村松 春葉 (むらまつ はるよ)

静岡市清水区出身。

大学進学のため京都へ。繊維学を専攻し、恩師の元で勉学に励んだ。
卒業後、航空会社のCA(キャビンアテンダント)として世界を回り、その後、語学留学のためドイツに渡る。日本に戻り、建築士の資格を取得し、現在はインテリアアドバイザーとしてお客様に寄り添った提案にあたっている。

今回の取材スポット

baseS & Les Beaux Bois

土日は岡部町にあるbaseSショップでインテリアアドバイザーを務める。
店内にはオリジナル家具のほか、オリジナルキッチンや、工房での製作の様子も見学できる。
藤枝市岡部町殿528
TEL:054-648-3113
FAX:054-648-3112
E-mail bb@bases.cc
営業時間 10:00-18:00 定休日 水曜           (H28.1.15 取材)