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ふるさとトピックス

Step By Step vol.33

イメージを形にすることが私の仕事

「信念を持つこと」


 専門学校を卒業後、建築の道に進んで早20年。
子どもの頃から部屋のカーテンを自分で選んだり、部屋の模様替えが好きだった。昔から「インテリア」、「空間」、「色彩」には興味があったのかもしれないと話してくれた大原さん。
 デザインの仕事はお客様のイメージを「形」にし、私が感じたイメージを「形」にし、より理想のものに近づける。「イメージ通り!」という言葉が何よりもうれしいと語ってくれた大原さんに会社員時代から現在に至るまでのお話を伺いました。

【On Time】 信念を持つこと

現在のお仕事について教えてください

主に企業様や個人経営者様から依頼を受け、飲食店・物販店などの店舗デザイン設計をしています。
CGパースは自身のプレゼンテーションの一環に必要だろうと独学で習得したものですが、最近では「完成イメージとして製作してほしい」と、業務としての依頼も増えてきています。(パースとは建物の外観や室内を立体的な絵にしたもの)

現在に至るまでの経緯を教えてください

 高校を卒業後、東京の3年制の専門学校に進み、環境デザイン科でインテリアについて学びました。デッサンや模写、手書きのパースなど多くのことを学びました。卒業後は静岡に戻り、建築設計事務所に就職しました。3年間インテリアの勉強をしてきましたが、当時の恩師が“建築業界からインテリア業界への転向はできても、逆は難しいかもしれない”と話していたことが印象的で、就職は建築の道に進みました。
 市内では老舗の建築設計事務所に就職し、意匠設計に携わりました。主に公共建築、民間社屋、ゼネコンマンションなどの設計を担当し、勉強させていただきました。
 しかし、大きな案件に関わるほど、より細部のディティールにこだわりたいという想いが強くなり、インテリアに転向すべく11年勤務した会社を退職しました。

その後はどのような会社に転職しましたか

 「工務店」に勤め、店舗や住宅のデザイン設計を担当しました。工事も請け負っていたため現場に足を運ぶことができるようになり、自分の目で確認しながら進捗を把握できるようになりました。現場で作業をする人とコミュニケーションを取りながら仕事ができた点は以前と大きく変わりました。時に意見を言わせてもらい、自分がデザインしたものがよりイメージ通りの形に仕上がり、やりがいを感じられるようになりました。
 しかし、勤めて9年が経つ頃、突然会社が倒産してしまったのです。突然のことで何が起こったのかわからず、頭の中を整理するのに時間が掛かりました。この先どうしようか、正社員で雇ってもらえるのか、不安を抱えながら転職活動をしました。

独立はこの時ですか

 転職活動中に噂を聞きつけた同業の方から、商業施設内の物販店舗の設計図を書いてほしいとお話しをいただきました。設計の仕事はパソコン1台でどこでもできます。自宅で作業を進めるうちに、過去にお世話になった先輩・知人・業者さん、それらの方々から紹介を受けた新規のお客様からもデザインの依頼をいただくようになり、一人でもやっていけるかも、やってみようと決心し、2014年にフリーでデザインの仕事を始め、2015年に『makiデザインワークス』として設計事務所登録をしました。
 過去に勤めていた時、一緒に仕事をした方々から声を掛けてもらえたことへ本当に感謝しました。多少なりとも自分がデザインしたものを評価してもらえたという自信にもつながりました。

もともとインテリアや設計に興味がありましたか

 私が小学5年生の時に自宅を新築しました。洋室の1人部屋になり、嬉しくてたまらなかった記憶があります。しかし、母が選んだ部屋のカーテンの色とデザインが気に入らず、その年のお年玉で自分の好きなカーテンを買いました。カーテンを替えると、みんなから部屋が広くなったと驚かれ、カーテンのデザインと色を替えるだけで変化が出ることに気づきました。また、部屋の模様替えをすることも好きで、よく配置換えをしていました。昔から「空間」、「色彩」、「家具」に興味はあったのかもしれません。絵を描いたり、作ることも好きで美術の授業が1番好きでした。
 高校卒業後の進路を決めるにあたっても、特に迷うことなくインテリアやデザインを学ぶ道を選びました。
 

この仕事の魅力は何ですか

 お客様の人生に関わらせてもらえることです。夢だった飲食店を開く、新しくオフィスを構えるなど、人生の中で何度もあることではありません。夢を形にする、お客様の人生を豊かにするきっかけ作りに立ち会わせてもらえることはプレッシャーもありますが、それ以上にお客様が納得し、喜んでもらえる姿を見れることが何より嬉しいです。

仕事のやりがいや苦労は何ですか

 お客様から完成した内装を見て、「イメージ通り!」と言ってもらえた時には、本当に嬉しく、達成感でいっぱいになります。何よりもこの言葉をいただけることがうれしいです。
 仕事は、長い時間を掛けてデザインを仕上げるものよりも、短期間で完成させる案件の方が多いです。他にも、何社かでデザイン案を挙げて1つを選んでもらう「デザインコンペ」というものもあります。1~2週間という短期間でお客様の要望を聞き、イメージを膨らませ仕上げます。最終的に選ばれないこともあり、その時は悔しい気持ちにもなりますが、選ばれたデザインの良さを探し、研究するよう前向きに捉えています。いただいた仕事に全力投球している中で、残念ながら引き受けられない仕事も出てきます。お断りをしたものがある以上、引き受けた仕事はすべてを出し切っています。

仕事をする上で大切にしていることは何ですか

 私がデザインを考える時に1番大切にしていることは、自分が思い描いている空間にそのお客様がいる姿を想像することです。もちろんお客様の要望も取り入れながら、私が打ち合わせの中で感じ取った人柄、雰囲気などを合わせてデザインします。
 例えば、飲食店をデザインした時に、依頼者が話好きでお客様との会話を楽しむ方は、カウンター席を広く設ける店舗設計にしたり、地酒を数多く扱っているお店では、それらのお酒を飾って種類の豊富さとデザインを目で見て楽しんでもらえるような形を取るなど、私なりに感じ取ったその人に合う空間を提案しています。
 仕事は自分の「信念」がなければ続けられないものだと考えています。1番にお客様のイメージを大切にし、2番目に自分のイメージを大切にする、私の仕事はこれらのイメージを「形」することです。

独立をしてからの悩みは

 何かに悩んだ時に、すぐに相談できる人がいるわけではありません。自分一人で決断しなければならない点は、会社員として組織に属していた時とは大きく異なります。何を取っても「責任」は自分自身に返ってくるという点では、責任感が強くなったかもしれません。
 情報を手に入れる方法にも苦慮しています。自宅をオフィスにするよりも、シェアオフィスで同業者と接点を持ちながら仕事をした方が最新の情報が得られていいのかなど、迷うこともあります。今のところは自宅オフィスでやっていき、同業者との縁を大切にしていこうと思っています

これからの目標は何ですか

 仕事に関しては、自分が設計したお店が“あそこのお店素敵だね”と口コミで広がって、たくさんの方に足を運んでもらえるようなお店を作ることです。施主もお店に足を運んだお客様も私も、みんなが幸せを感じられるお店をデザインできるように技術を磨いていきたいです。
 プライベートに関しては、自分で設計した家に住むことです。いつか、自分のためにとことんこだわった家に住みたいです。

【Off Time】 リフレッシュしながらヒントを得る

気分転換の方法を教えてください

 日々の気分転換は愛犬の散歩です。四季の移ろいを感じながらの散歩は気持ちがスッキリします。
 他には、国内旅行に出掛けたり、友人と食事に出掛けることです。店内に入ると、自然とお店の内装に目がいきます。使用している素材、アンティーク類など参考に見ています。

日頃大切にしていることはありますか

1つ目は「信念」を持って仕事をするということです。信念を持たずして仕事をすると、いろいろな場面でブレが出てきます。自分の軸をしっかり持つことで、自信を持って提案ができると思っています。
 2つ目は「人とのつながりに感謝すること」です。独立をしてから特に強く感じます。1人のお客様とのつながりから新たなつながりへと広がります。会社員時代は自分から相手の懐に入っていこうという気持ちはあまりありませんでした。しかし、今は自分から積極的に相手を知ろう、近づこうという気持ちに変わりました。独立をしてから大きく変わったところかもしれません。

プロフィール

大原 万季(おおはら まき)

静岡市出身

高校卒業後はインテリアや設計を学びに東京の専門学校に進学。
就職は静岡に戻り、建築デザインの仕事に携わる。
会社員として約20年勤めた後、独立。
会社勤めの時に築かれたお客様とのつながりに支えられ、
独立して2年が経つ今も、既存のお客様、既存のお客様から繋がった新規のお客様、
たくさんの「縁」に感謝しながら、仕事に向き合っている。

makiデザインワークス二級建築士事務所(ホームオフィス)
〒420-0881
静岡県静岡市葵区北安東1-20-5
mail:m_designworks@ft.dws.ne.jp

                         (取材日 H29.2.13)