グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ふるさとトピックス

Step By Step vol.37

生み出す楽しさ

『経営者としての挑戦』


 現在に至るまでに営業職、アパレル、バーテンダーなど、様々な仕事を経験し、たくさんの方々に出会い、刺激をもらってきた。今まで経験してきたことすべてに無駄なことはなく、どこかで何かが活きていると語ってくれた酒井さん。
 ボトルフラワーで一躍有名になり、趣味が仕事になった時、自分が置かれている環境が目まぐるしく変わった。経営者としての難しさを痛感し、様々な壁にぶつかりながら、お客様に笑顔を届けるために闘奮する酒井さんにお話を伺いました。

【On Time】“for your happy smile”を目指して

現在のお仕事について教えてください

 フラワーコーディネーターとして、今までにない新しい見せ方でお花のアレンジメントを手掛けています。私はアーティフィシャルフラワー(生花をリアルに再現し、生花にはない美しさを表現して造られた花)を使っています。1本あたりの値段は少し張りますが、初心者でもアレンジがしやすく、何より、生花のように美しい状態を長い間楽しめるという魅力があります。
 私の代表作はボトルフラワー“ココロハナ”です。空ビンの中にお花と心を詰め合わせたもので、この作品によって多くの方に私の作品、私自身を知ってもらうきっかけとなりました。
 現在はパルコ静岡店にて店頭販売を行い、同時にネット販売も行っています。

現在までにどのようなお仕事を経験してきましたか

 現在に至るまで、いろいろな仕事を経験し、様々な業種の方と出会い、刺激をもらってきました。
高校卒業後に就職した会社では、雑貨事業部の営業として3年半勤めました。自社の雑貨を置いてもらうため、飛び込み営業も経験し、ディスプレイの仕方を自ら提案をするなど、動き回って仕事をしていました。ある時、大手の会社に売り込みに行き、今までにない売上を叩き出したことがありました。今振り返ると若さゆえ、怖いもの知らずで飛び込み、得られた結果だったのかもしれません。頭を下げ、怒られ、つらい…そんな気持ちになったこともありましたが、この時の営業経験が今もお取引先との交渉、接客などに活かされていると感じます。
 自分の中で大きな結果が残せたら、区切りをつけようと思っていたため、退職を決意しました。

アーティフィシャルフラワーとの出会いは

 その後デザイン事務所で働いた時に、あるお客様のところに出向いた際、ディスプレイされていたお花のアレンジメントに心惹かれ、先生を紹介してもらい習い始めたことがアーティフィシャルフラワーとの出会いでした。
 当時28歳だった私は、20代最後に好きな事を仕事にしようと考え、その時に、“手に職をつけたい”と思い、興味のあるお酒の勉強をすることを決め、憧れのBARに雇ってほしいと直談判しました。BARでは幅広い業種のお客様と話をする機会があり、接客、お酒の作り方など、多くのことを勉強させてもらいました。
 ただ、女性として、一生BARだけを続けていくことは難しいと考え、昼間はお花の勉強、夜はBARでの仕事という生活を送りました。

お花の仕事一本に絞った理由は

 2014年、結婚と同時にあるご縁からアトリエを構えることになりました。バーテンダーと結婚生活、そしてお花の仕事の両立はとても難しく、体力も奪われ、悩んだ時期がありました。同時期に、BARのお客様でパルコの営業の方と出会う機会がありました。公私共に仲良くさせていただくようになり、その中でパルコでのポップアップストア(期間限定ストア)のお話をいただきました。主人の賛成もあり、これを“チャンス”と捉え、大好きだったBARの仕事を退職することを決意し、パルコでの仕事に挑戦することにしました。

ボトルフラワーが生まれた秘話

 バーテンダーの男性へのお礼の品としてプレゼントを考えた時に、花束やリースではつまらないと思い、せっかくなら、お店に飾ってもらえる物が良いと思いついたのが、ウイスキーの空ビンにお花を入れるということでした。BARで仕事をしていたため、たくさんのボトルに囲まれていたからこそ浮かんだ発想かもしれません。すべて手作業であり、すべてが1点ものでした。

ボトルフラワーを知ってもらうために起こした行動とは

 バーテンダーをしていた時のお客様の中にパルコ静岡店の関係者の方がいました。自分自身がフラワーアレンジメントもしている話をし、作品を見てもらう機会がありました。するとパルコで母の日に合わせてポップアップストア(期間限定ショップ)を出店しないかと声を掛けてもらいました。多くの人に作品を見てもらえるチャンスだと思い、出店を決意しました。商品はすべて手づくりで600本のボトルフラワーを用意しました。するとGWが始まる4月末に完売し、追加で600本用意するなど、予想以上の反響がありました。家族の協力もあり、大成功でポップアップストアを終えることができました。あっという間の2週間でしたが、初めて人を雇い、給料を支払い、お客様を目の前に自分の作ったものを販売する、『経営者』として初めての経験をたくさんしました。母の日のプレゼントとして購入してくれた方が多く、“人が人を想う時期”に立ち会え、お客様の生の声が聞けたことは何よりのうれしかったです。

その後はどのように仕事を拡大していきましたか

 パルコ静岡店でのポップアップストアの売上がよかったため、継続して出店させてもらえることになりました。同時に渋谷パルコでもポップアップストアを出すことが決まり、静岡を飛び出て、販売をしました。忙しさの中にも充実感があり、趣味が仕事になったと感じた時でした。
 ところが、渋谷での出店が11月だったということもあり、売上を伸ばすことができず、結果厳しい2週間となりました。12月はクリスマスの時期で静岡での売上は上々でしたが、売上はシーズンに左右されることを痛感しました。
 昔から相手を喜ばせること(サプライズ)を考えることが好きでした。今も変わらず、相手の好きなもの、興味のあるものを思い浮かべて、他にはない物を生み出して、作品を作ることにこだわっています。

この仕事を始めて苦労したこと・悩んだことはありますか

 「人」の部分での悩みが一番大きいかもしれません。ボトルフラワーの人気が出ると、めまぐるしく自分が置かれている状況が変わりました。当時は私を含め、スタッフも変わっていく環境に追いつくのに必死でした。心に余裕がなくなり、周囲との関係もギスギスしていたように感じます。スタッフが辞めるとなった時には理由はあるにしろやはり寂しい気持ちになりました。人を“雇う側”に立った時に改めてスタッフの存在の大きさ、人を雇うという難しさに直面しました。

悩みを抱えた時の解決方法は

 主人に話を聞いてもらうことが多いです。「atelier uqina」の経営も夫婦二人で行っています。“応援してくれる人を大切にする”、“謙虚でいることを忘れない”ということを常に大事にしています。いつでも真剣に話を聞いてくれる主人には感謝しています。私の父も経営者として大先輩にあたるので、父にアドバイスをもらうこともあります。家族の存在が私を支えてくれています。

この先どのようなことに挑戦していきたいですか

 ポップアップストア(期間限定ショップ)が常設店舗になるためには、一定期間で売上等の結果を出さなければならないため難しいです。足を運んでくれたお客様、スタッフの頑張りのおかげで、ボトルフラワーを多くの方の元へお届けすることができ、現在継続してパルコ静岡店で店舗を出すことができています。ただ、「常設」ではないため、もっと世界観のある常設店舗を目指していきたいと思っています。
 私は昔から、あれやこれやと考えてアイデアを形にすることが楽しく、今までに無い、新しい物を作り上げていくことが好きでした。誰かのことを想って、喜ぶ姿を思い浮かべながら、新しいものを生み出してお披露目していきたいと思っています。

【Off Time】 自分へのご褒美時間

気分転換の方法を教えてください

 自分自身へのご褒美として、美味しいものを食べることです。美味しい食事には、心も身体も満たされます。
 もう一つはフラワーアレンジメント以外のものを作ることです。アクセサリーなど、細かい作業を夢中になって取組んでいる時間が好きです。

プロフィール

酒井 幸奈(さかい ゆきな)
静岡市出身

昔から細かい作業は得意で、相手に喜んでもらえるように
あれやこれやとイメージして物を作ることが好きだったという。

今までにはない、常に“新しい物”を作り出すことにこだわる。
“happy for your smile”を目指し、日々奮闘している。
                (取材日 H29.6.28)