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ふるさとトピックス

Step By Step vol.39

広がる輪に感謝

『経験から伝えられること』


 産後のお母さん方を対象にしたレッスンを地域の公民館などで行い、最近は一般の方を対象にしたレッスンをスポーツジムで行うなど「ピラティス」の講師として活躍する楠さん。
 楠さん自身が産後鬱で塞ぎ込んでしまった時に出会ったピラティス。始めてみると驚くほど身体がスッキリし、気持ちも明るくなれたという。
 自身の経験をもとに、産後自分と同じように悩んでいるお母さん方に少しでも笑顔になってもらいたいという想いで活動をしている楠さんにお話を伺いました。

【On Time】経験から伝えられること

現在のお仕事である「ピラティス」とは何ですか

 「ピラティス」とは、深い部分の筋肉、インナーマッスルを鍛えることで体幹部を強化することを基本としています。この情報だけだとハードな運動と捉えられてしまうかもしれませんが、元々は、戦争で負傷した戦士のケアのため、寝ながらできるリハビリとして生まれたトレーニングです。そのため、産後、最も骨盤が変化する時期から少しずつ正常に戻すための無理なくできるトレーニングとして、日本でもピラティスが認知されるようになりました。
 8年程前に育児サークル“おはな”を立ち上げ、産後のお母さん方を対象にしたピラティスの講師を務めています。

ピラティスとの出会いは

 私がピラティスと出会ったのは10年程前になります。私自身が産後鬱で塞ぎ込んだ時期がありました。
たまたま新聞の切り端にピラティスのレッスン募集が掲載されているのを見つけ、“肩こり、腰痛に効く”という見出しに惹かれ、応募したことを覚えています。この時はピラティスが何かも知らず、申込みをしました。
 初めてのレッスン後の感想はひとこと“気持ちいい!”でした。常に子どもとだけの閉鎖的な生活で気持ちが暗くなっていた私に、一筋の光が差し込んだような気がしました。ピラティスを始めたことで、肩こりや腰痛といった身体の不調も少しずつ改善し、沈みがちだった気持ちも明るくなりました。

指導の道に進んだ理由は

 ピラティスに魅了され、インストラクターの資格を取るために子どもを寝かしつけた後、21時過ぎから1年程レッスンに通いました。大変でしたが、それ以上にレッスンを受けることが楽しみで仕方なかったです。
 産後の身体や精神的変化は誰もが初めて感じることです。私はこれらの変化に上手く対応できず悩んでいた時にピラティスに出会い、前向きな気持ちになれました。私と同じように悩んでいるお母さん方に少しでも笑顔になってもらいたい、身体と心を楽にして、リフレッシュする時間を作ってもらいたいという思いから産後のお母さん方を対象にレッスンを始めました。

どのような形で活動を広げていきましたか

 まず、資格を取ってから友人(ママ友)にレッスンをするところから始めました。この時は私も「教える」練習をさせてもらっていました。当時は今ほど「育児サークル」というものは多くなかったのですが、知り合いから育児サークルの中でピラティスを教えてみないかと声を掛けていただき、サークルを立ち上げました。ありがたいことに口コミだけでどんどん広がり、現在は地域の公民館やフィットネスクラブを中心に活動しています。

活動する上で工夫していることはありますか

 一人ひとりと向き合いながらやれるような人数でレッスンを行っています。お子さん連れもOKにしています。みんなが子どもを持つ母親なので、小さな子どもが周りにいても誰も気にしません。お母さんが身体を動かしていると真似をして一緒に身体を動かし始める子どももいます。私の一番の願いは、気軽に来て、母親同士悩みを相談し合えるような環境を作り、ピラティスでリフレッシュしてもらいたいということです。
 “お母さん”はいつ予想外のことが起きるかわかりません。レッスンを予約制にしてしまうと、万が一参加できなくなった場合、キャンセルの手続きが発生します。予約したのに参加できなくなるかも…という精神的負担を減らすために予約は不要にし、参加できるときに無理なく来てもらえるスタイルで、気軽に参加してもらえるようにしています。

参加者の反応はいかがですか

 みなさん、楽しんで身体を動かしてくれていると思います。笑顔でスッキリした表情で帰宅する姿を見るとホッとします。継続して続けてくれる方も多いのでうれしいです。現在も生徒さんの口コミで新しい場所に出向いてレッスンをさせてもらう機会が増えています。公民館等の誰でも参加してもらえる場所でのレッスンから、幼稚園に出向いて、その幼稚園に通うお母さん方を対象にしたレッスンをしたり、高校の部活動の中でピラティスを取り入れたメニューを受け持つなど、様々な場所で、多くの方に体感してもらっています。

ピラティスを始めてご自身の変化はありましたか

 プラス思考になりました。産後鬱も経験し、体調も優れず、一人で悩みを抱え込んで暗くなる時期もありました。しかし、身体を動かすようになって、身体も心もスッキリすると自然と小さなことが気にならなくなり、前向きになれている自分がいました。
 子育てに関しても、私は三人子どもがいますが、それぞれの個性を寛大に受け止められるようになり、子育てが“楽しい”と思えるようになりました。こう思えるようになったのも、ピラティスを始めてからです。

仕事と家庭の両立はいかがですか

 レッスンが夜になることもあるので、出掛ける前に掃除、洗濯、夕飯の準備まで、できる限りをしています。朝の時間を有効に使えるかどうかがポイントになるので、朝は早く起きて活動しています。すべてを完璧にこなそうとするとやはり大変になってしまうこともあるので、多少“まぁ、いいか!”という気持ちで自分を追い込まないようにしています。

今後の目標を教えてください

 子育てで身体の不調、精神的不安を抱えているお母さん方にピラティスを通して、少しでも楽になってもらえるようにお手伝いをしていけたらと思っています。私はずっと静岡で生まれ育ちました。今後も大好きな地元静岡で、ピラティスを広げる活動を続け、その時、その時の人との出会いとつながりを大切にしていきたいと思います。

【Off Time】心を落ち着かせる時間

気分転換の方法を教えてください

 空を見ます。悩みを抱えると下を向きがちになるので、上を向くようにと意識すると自然と空を見上げるようになりました。澄んだ空を見ると、心が洗われるような気がします。
 他にも本を読んだり、友人と美味しいお酒を飲みながら語り合うことも、私にとってはパワーチャージになっています。

日頃大切にしていることはありますか

 “笑顔でいること”を意識しています。マイナスなことを考えてしまうと顔に出てしまうので、何か悩みが出た時は友人に相談して、一人で抱え込まないようにしています。話を聞いてくれる友人がいることはありがたいことです。最終的に何かを決断するのは自分自身ですが、いろいろな人の意見に耳を傾け、解決していくようにしています。
 子どもと過ごす時間も大事にしています。食事の支度を一緒にしたり、家でみんなでピラティスをしたりしています。

プロフィール

 楠 光恵(くすのき みつえ)
 静岡市出身
 
 三人のお子さんを育てながら、ピラティスの講師を務める。
 口コミだけで活動場所を広げて、多くのお母さん方の心と身体に
 寄り添っている。
 身体を動かすことは本当におススメ!と笑顔で語る。
 現在は「バレトン」(バレ=バレエ、トン=身体の筋肉を整える)
 エクササイズの講師もしている。